1年に一度の魔法 特別な日/錦戸亮さん (33) に寄せて

 錦戸亮さん、33歳のお誕生日おめでとうございます!!!

 

 錦戸さんを好きになって、ちょうど12年目を迎えた今年。もうあれから12年が経った(=干支が一周した)のかと感慨に耽ると同時に、ヲタ卒するどころかますます深みに嵌っている、呆れるくらいベタ惚れな現状に驚いてもいるのですが。その当時、高校生役(『がんばっていきまっしょい』『1リットルの涙』)を演じていたはずの錦戸さんが、すっかり先生役(『ごめんね青春!』『サムライせんせい』)も填まるようになっているのだから、そりゃそうか、と。時は確実に流れているのですね。

 

 

 32歳、貴方にとってどんな1年になりましたか?

 

 

 私はこれまでずっと、錦戸さんのことを“不言実行”の人、だと思っていました。それはきっと、強ち間違ってはいないのだろうと。彼のこれまでの発言からも見て取れるように。

 

言霊は信じない派*1

 

やりたいことを内に秘めて、でもやれたらよっしゃ!って心の奥底では思っているタイプ

 

 ———そう周囲にも公言している錦戸さんだからこそ。

 

かっこいいと思えるものを共有出来る人が多かったらいいな。悔しいな。なんだろう。

 

マジでソロアルバムだそう。

 

いろんなアーティストに協力してもらってありがたいし、光栄なことやけど、マジで悔しい。」

 

やりたい事は言ったほうがいい。誰かに笑われたとしても。何の面下げて言ってんの?って思われても。

 

日本で1人でボケーって過ごしてたら他のメンバーとかテレビとかで見るし、俺働かんと何してんねやろ?って。二日酔いの日とかに限って見るんですよね。*2

 

どこか後ろめたさっていうのがあるんですかね。ご飯食べられへんくなりそうって思います、何か。

 

 そんなにはっきりと自分の思いを口にするだなんて、驚きました。どういった心境の変化なのだろう。

 

 

 確かに、ジャニーズ事務所では例を見ない前代未聞の2つのグループを掛け持ちしていた10代後半~20代前半にかけて、「休みが年に2日しかなかった」頃はとにかくいっぱいいっぱい、ただ目の前のことを熟すだけで精一杯の時期もあったであろうと想像もできるのですが。けれどそれだけじゃなくて、(現時点で)できるかどうか分からないことを言葉にするのが恥ずかしいというか。単純にがっついているみたいに思われる、ということも差し置いて。何よりも、自分がそう言葉にしてできなかった時に格好悪いと思ってしまうから。どこかで、そうならないための予防線や逃げ道のようなものを作っているのではないのかと、勘ぐってしまう嫌な私がいました。

 

 

  けれど、今年に入ってみて。テレビ・雑誌各媒体、Johnny's web連載『関ジャニ戦隊∞レンジャー』での彼の発言を聞いて。もちろんただひたすらに「語らない」、他人に何を言われようが頑なに“不言実行”というスタンスを貫く錦戸さんも堪らなく好きなのだけれど。それ以上に、今までだったら決して言わなかったであろう将来やりたいことや目標を言葉にしてくれるようになった。それが叶わない時は「悔しい」と率直な思いを吐露してくれるようになった。そんな心境の変化を嬉しく思っていました。

 

 

 自分の弱いところを曝け出すって、実はものすごく勇気のいることだと思うのです。錦戸さんのように、それを「恥ずかしい」「格好悪い」と思ってしまう人ならば尚更。けれど、これまで自分を守るためにどこか虚勢を張っていたという錦戸さんが、少しづつ纏っていた鎧を脱いで、ありのまま=フラットな姿を見せてくれるようになって。さらに、将来やりたいことや目標を声を大にして言うことで、自分自身にプレッシャーをかけて追い込もうとしている。 自ら予防線や逃げ道を作ることをせず、真っ向から挑もうとしている。

 

「(理想までの道は?)5合目?2合目でもいいぐらいっすね。

 

 ———だなんて、もう。惚れ直す以外の選択肢なんてなくて。本当に強く、大きな人になったな、と。錦戸さんより10歳も年下の私が偉そうに言うのも、なんですが。

 

 

 そして、33歳を目前として。錦戸さんの元へやってきた大きな大きな節目。錦戸亮 初大河”

 

 

 すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私が錦戸さんを好きになったきっかけは今から12年前の秋、ドラマ『1リットルの涙』です。その当時、ジャニーズ好きの友人のおかげでNEWS・関ジャニ∞というグループ名だけは認識していましたが、まさか錦戸さんがそのメンバーの一員だったとは思いもせず。某情報番組*3での特集コーナーを目にするまでは、てっきり俳優一本でやっているのだと信じ込んでいたほど。そのためか、“俳優・錦戸亮”には特別な思い入れがあって。

 

 

  いつか、いつか。大河ドラマという大舞台に立つ錦戸さんが見たい。ファンになった当初から願っていたことの一つではありましたが、まさかこんなにも早く夢が叶うだなんて。毎年行われる大河ドラマ出演者発表会見を見ながら、「ああ、今回もダメだったか」と肩を落としていたのに。信じていれば、叶うものなのですね。

 

 

 新出演者発表会見。錚々たる出演者の最後、司会の方の紹介で壇上に上がった錦戸さん。黒スーツでビシッと決め、精悍な顔つき。「僕自身がこの大河ドラマの中できっちりと役割を果たしていけるように、精一杯頑張っていきたい」と熱い意気込みを語る姿。大河ドラマ初出演の話を聞いた時の気持ちを尋ねられ、「僕、ジャニーズのオーディションを受けて今年で20年くらい経つんですけども。20年やって、やっと、こういう本格派の時代劇に出られる。20年かかったんだなと思いました」と感慨深げに振り返る姿を見て。気がついたら、頬に涙が伝っていました。

 

 

 芸能界に入って、ちょうど20年という節目を迎えた2017年。決してキラキラと華やかなだけではない世界の中で、やりきれない思いを抱え一人でもがき苦しんだり。いつのまにか増えていた傷も隠して、人知れずそっと涙を零したこともあったでしょう。けれど、「手探りやったけど、必死だった」「東京もう住んでもうたから、絶対やっていかなあかん」「中途半端に(大阪に)帰られへん」と覚悟を決めて、がむしゃらに走って来た20年。錦戸さんがその足で、確かに歩いてきた足跡が残って、この大仕事(=大河ドラマ)に繋がっているのだと思うと、嬉しくて堪らなくて。必死に切り拓いてきた、選んできたルートは間違っちゃいなかったんだな、と。

 

 

  主人公である西郷隆盛の弟・従道役での錦戸さんの起用理由について、チーフプロデューサーの方の「(錦戸さんの)俳優としてのパフォーマンスに魅力を感じた。ビジュアル的に似せることは気にしていなかった」というお言葉を聞いて。錦戸さんのビジュアル諸々ではなく、他でもない俳優としての実力を評価してくださったのだと思うと、喜びも一入なのですが。

 

 

 そもそも、大河ドラマへの出演オファーって一体どのくらい前にあるのだろう、と。同じくNHK制作ドラマ『トットてれび』への坂本九さん役での出演が決まった時点で、もうお話は来ていたのでしょうか。『トットてれび』、今回の『西郷どん』でも脚本を手掛ける中園ミホ氏は当て書き*4(演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)をされることで有名な方なので錦戸さんへも是非、と直々にオファーがあったのかと想像しただけで胸が詰まる思いがしますが。

 

 

いつも最前線に立っていたい

 

お芝居やソロの仕事も待機作がいっぱい作れるようになりたい

 

 ———という言葉の裏には、大河ドラマという大舞台を控え、すでに「最前線にいる」という未来が確実に用意されていながらも、それと同時に自分自身を鼓舞する意味も含まれていたのだと思うと、何だかこう、堪らないですよね。

 

 

 2018年。錦戸さんにとって、間違いなくターニングポイントとなる1年になるであろうことは間違いなくて。NHK朝の連続小説ドラマ“初”出演。“初”主演映画。ゴールデンタイム連続ドラマ“初”主演。錦戸さんを好きになって今年で13年目を迎えようとしていますが、まだ錦戸さんへの「はじめて」があったのだと思うと、今まで感じたこともないくらいわくわくしました。何事も「はじめて」なのは最初の一度きり。私にとっても、錦戸さんにとっても「はじめて」を、リアルタイムで一緒に味わうことができるのは、今この瞬間を生きている、錦戸さんを好きな人だけの特権、のような気がしています。

 

 

 32歳、おかげさまでとっても楽しかったです。錦戸亮(31)の世界もとっても魅力的だったけれど、錦戸亮(32)の世界は一層輝きに満ちていて。キラキラとして眩しかった。けれど、錦戸亮(33)の未来は錦戸亮(32)の世界より素晴らしいものだって胸を張って言えます。

 

 

 今までもこれからもいつまでも、隣にいてください。

 今日という日が、錦戸さんにとって素敵な一日になりますように。

 

 錦戸亮さん(33)の未来に幸あれ!!!

*1:2013年5月15日放送 『ザ少年倶楽部プレミアム

*2:2017年7月7日放送 日本テレビ系『アナザースカイ』

*3:確か『めざましテレビ』(出典源も見つけることができず、またぼんやりとした記憶の中で申し訳ありません…このブログをご覧の方で、もしご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください)。「現在火9ドラマ『1リットルの涙』麻生遥斗役で出演中!NEWS・関ジャニ∞のメンバーとしても活躍中の錦戸亮さん」のようなアナウンスとともに、高校数学Ⅰで習うベン図(2つ(NEWS・関ジャニ∞)の円の集合部分に錦戸さんがいるあの図!です)が映し出され、「麻生くんってジャニーズだったんだ!」と小学生ながら衝撃を受けたのを覚えています。ちなみに、錦戸さんが大阪出身・関西弁のネイティブスピーカーであると知るのはもう少し先の話。

*4:ちなみにドラマ『ラスト・フレンズ』の脚本を手掛けた浅野妙子氏も当て書きをされることで有名な方です。最初は「美知留がシェアハウスに逃げ込んでくるためにDVをする男が必要だったので記号的な役で良いかな」と思っていたところ、錦戸さんの顔を見たら「すごい切ないものを感じた」「“愛しているのにDVをやってしまう”みたいな、相反するものが膨らんだ」と仰っていたので、何か同様に惹きつけられるものがあったのかな、と。嬉しいです。

「Tokyoholic」/“プロデューサー・錦戸亮”の力

 2017年1月15日。12月中旬から約1ヶ月の間に渡って開催された“関ジャニ’s エイタ―テインメント”も無事に幕を閉じました。“KANJANI∞ LIVE TOUR 2008 ∞だよ! 全員集合”以来8年振りとなる、アルバムを引っ提げないで行われたツアー。一体どんなことをしでかすのだろう?と始まる前から胸の高鳴りを抑えきれず。その中でも個人的にビッグサプライズだった「Tokyoholic」。その時感じた衝撃をどうしても書き留めておきたいとは思っていたものの、ツアーの余韻に浸っている間に先延ばし先延ばしになってしまい。しかし、「なぐりガキBEAT」通常版に収録されることが決まり、ライブでしか聴くことの叶わなかったものがCD音源化されて世に放たれた今。この機会を逃したら、きっと一生ないのでは———そう思い立ったが吉日。勢いのままキーボードを打つ指を、見守ってみることにします。

 

 

 とりとめのない駄文、お許しください。

 

 

 錦戸さんが立ち上げた楽曲をメンバー全員でセッションしている模様が収録された“2016.10.25 session movie”。錦戸さんが関ジャニ∞というバンドに期待する熱量は相当なものであろうということ、それはきっと恐らくメンバーやファンも周知しているところであろうということは何となく理解しているつもりではいました。

 けれど、その上がりに上がりきっているこちらの期待値を遥かに超えてくるクオリティの高さ。自分の担当ではない楽器についてもどう演奏したらよりよいのかを把握する力。そして、思っていることを言葉や音で的確に伝える力。改めて“プロデューサー・錦戸亮”の力を思い知らされて、やっぱりこの人が創り上げるものが好きだ、と再確認して。この好きだ、という気持ちを仕舞っておくのに、どれだけのスペースがあれば全部取っておけるのだろうと、思わず頭を抱えてしまうように。

 

 

 これがシングルCDの映像特典だけで終わってしまうのならば勿体ない———そう思っていた矢先のことでした。まさか、まさか。歌詞があるだなんて。こんな形となって披露される未来が待っているだなんて。思ってもみなかったのです。

 

 

 今回の“関ジャニ’s エイタ―テインメント”はアルバムを引っ提げないで行われたツアーということで、当初から余計な先入観は持たずに、新鮮な気持ちで見よう!と心に決めていました。しかし、インターネットを開けば、情報が溢れ返っているこのご時世。Twitterのタイムラインに無条件に流れてくるあれそれを横目に見ながら、うずうずしながら待ち焦がれること約2週間。たった14日間なのに、途方もなく遠い未来のように感じていました。

 

 イントロが流れた瞬間、一段と早くなる胸の鼓動。突如スクリーンに映し出された“Are you Ready?”のテロップ。これから途轍もないものが始まる———そんな予感がしました。そもそも直前まで“2016.10.25 session movie”はインストであろうと信じて疑っていなかったので、そうか!そうきたか!と不意を突かれて。ドームを高く突き抜けるような歌声で、ただひたすらに、がむしゃらに「Tokyo!」「Tokyo!」と叫ぶ彼らに、一瞬にして心を鷲掴みにされました。こんなにも関ジャニ∞にしか歌えない曲があるのか?と、センターステージのど真ん中でど直球に熱く歌い上げる彼らを目の当たりにして、ただただ呆然としていたのを覚えています。骨抜きにされた、とはまさにこのことだと体感したというか。

 

 

 その中でも最も胸が熱くなった、きっと錦戸さんをお好きな方であれば誰もが共感してくださるであろう、あのソロパート。

 

 

「そんな上から見んなや こっちも必死なんじゃ」

 

 

 私の拙い語彙力では到底表現できない、この感情。気がついたら、頬に涙が伝っていました。

 何でもそつなく熟すように見えて、実は誰よりも努力家で。けれど、必死にもがいて努力している姿を人に悟られたくはない。そういう自分を見せるのは格好悪いから、表にはすでに完成されたものだけを提示しようとしている、というか。“元気が出るLIVE!!”で披露されたサックスなんか、まさに。数年前、某番組*1で楽器部屋の写真が公開された時は「(サックスは)プーと音が鳴るだけ」「売り払えば?」なんて冗談交じりに話していたのは、寡黙であることを美学とする、ひたすらに「語らない」ことを貫いているからなのか、それともただの照れ隠しなのかは分からないけれど。そんな彼が、ドームに詰め掛けた5万5,000人の大観衆を前にして「こっちも必死なんじゃ」と形振り構わず叫ぶので、何だかこう、堪らないですよね。

 

 

 いつか前に錦戸さんがJohnny’s webの連載「関ジャニ戦隊エイトレンジャー」で語っていた、

 

 

「31かーー。とか考えてまう時間帯ですね。東京で一人暮らし始めたんが、1リットルの涙やってる頃やから10年以上経つんやとか考えてまう。っていうか、そんな歌作ってます」

 

 

 ———というのが、この「Tokyoholic」だとしたら。とんでもないものを2016年(2017年)に放りこんできたな、というのが正直なところです。メンバー全員が関西生まれ・関西育ちの彼らだからこそ歌える、逆を言えば彼らにしか歌えないであろうこの「Tokyoholic」。

 ドラマ「1リットルの涙」への出演が決まり、「手探りやったけど、必死だった」「東京もう住んでもうたから、絶対やっていかなあかん」「中途半端に(大阪に)帰られへん」*2と、たった一人で向かった東京。東京ー大阪間の新幹線代ですら勿体ないと、ご褒美に貰ったグリーン車のチケットをわざわざ払い戻し、自由席に乗って帰った下積み時代。

 かつて彼らにとって東京は「仕事をする場所」であったはずなのに、今では「一年のほとんどを過ごす場所」になっていて。人気が関西地区だけでなく全国区へと拡大している、東京でもグループ名だけでなく個人名までもが知れ渡りつつある、この2016年。関ジャニ∞というグループとして新たなステージへ、更なる高みを目指して進もうとするこの時期に、「I don’t like Tokyo!!」「I hate Tokyo!!」「I can’t hate Tokyo!!」と最高に泥臭く、最強に熱く歌い上げる彼らが眩しくて。デビュー当時の若さ故の危うさだったりギラギラ感はどこかに置いてきてしまったかもしれないけれど、あの頃のような噛みつく隙を狙う狂犬のような、ハングリー精神の塊のような関ジャニ∞がそこにはいました。地方出身・地方在住の私には、この歌詞が持つメッセージを全て受け止めることは到底無理なことなのだけれど。それでも、それでも。じんと心に沁みました。

 

 

 クレジットの“作詞・作曲 錦戸亮”という文字を読むたびに、心がきゅぅっとするこの感覚。今この時点の錦戸さんを目いっぱい好きでいるつもりなのに、当たり前のように「好き」という気持ちを更新してしまうのだから、この際仕方がありません。

 

 きっと錦戸さんの頭の中にはAとBとはたまたZ、といったような発想の引き出しがいっぱいあって、それを丁度いい塩梅に料理するのに長けている、といつも感心してしまうのですが。それでいて、“The・錦戸亮”という世界観は失われていない。むしろ、歳を重ねるごとにますます色濃くなっていって。

 けれど、そんな独特の感性やこだわりを持っているのに、意外とそれが伝わっていない———というか、錦戸担とその界隈ではあまりにも差があるように感じてしまうことも事実で。それは、「錦戸亮」というネームバリューがあまりにも大きすぎて、彼の本質が見えにくくなっている(または見ようとされない)せいかとも思っています。例えば、「(関ジャニ∞の)他のメンバーのことはよく知らないけれど、錦戸亮だけは知っている」と言われてしまうことであったり。10代後半~20代前半にかけての怒涛のスケジュール、「休みが年に2日しかなかった」という過去が今を作っているということは言うまでもないけれど、本人の知名度や見た目の印象ばかりが邪魔をして、深いところまでは見てもらえない。そんな現状をもどかしく、歯痒く感じてしまうこともあるけれど。そんな独特の「感性」や「こだわり」を心ゆくまで味わうことが出来るのは、錦戸さんのことを好きになって、もっと深いところまで知ろうと思った人だけの特権、のような気がしています。

 

 

 月並みではありますが、やっぱり「錦戸担で良かった」。その一言に尽きます。

 錦戸亮さん。次は一体どんなものを見せてくれますか?

 “プロデューサー・錦戸亮”の次回作、期待しています!!

*1:2010年8月1日放送 日本テレビ系『おしゃれイズム』

*2:2012年4月20日放送 TBS系『A-Studio』

君のために歌うよ/錦戸亮さん (32) に寄せて

 錦戸亮さん、32歳のお誕生日おめでとうございます!!!

 

 錦戸さんのお誕生日をお祝いするようになって、早いもので11年目を迎えました。好きになった当初、私はまだランドセルを背負った小学生、錦戸さんは20歳だったので、年月は確実に経っているのだと感慨に耽ると同時に、ヲタ卒するどころかますます深みに嵌っている、呆れるくらいベタ惚れな現状に驚いてもいるのですが。

 

 

 

 31歳、貴方にとってどんな一年になりましたか?

 

 

 

 一年前は、主演ドラマ『サムライせんせい』の撮影現場で、“泥そば(焼きそば)ケーキ”でお祝いしていただいていましたね。土台はそばめし&チキンライス&カレーピラフの三段仕立て、トッピングには鶏のから揚げやハンバーグ、エビフライと錦戸さんの大好物ばかりをこれでもか!と詰め込んだ、キャスト・スタッフの皆さんの愛情たっぷりの異色ケーキを頬張りながら、「素敵な31歳の1年にしたいと思いますし、この作品も最後まで走り抜けたい」と意気込みを語っていた錦戸さん。映画『ちょんまげぷりん』以来、約5年振りに“過去にタイムスリップしてしまう侍”という役柄を演じるということで、「僕にとっても“すごい挑戦”になる」「あの頃の僕には絶対出来ひんことをやりたい」と、到底計り知れないプレッシャーもあったはずなのに、それを全く感じさせない圧巻の演技。「“31歳錦戸亮の限界”を提示できた」という、今までの錦戸さんならきっと恐らく言わなかったであろう、この言葉にも心を掴まれて。

 

 

言霊は信じない派*1

 

 

やりたいことを内に秘めて、でもやれたらよっしゃ!って心の奥底では思っているタイプ

 

 

 ———そう公言している錦戸さんだからこそ、そんなにはっきりと自分の思いを口にするだなんて、驚きました。どういった心境の変化なのだろう。

 

 

 

 20代最後、30歳という節目の年を迎える直前に語っていた“心のコントロール”の成果なのか、穏やかな心で新しいことにチャレンジしていた一年だったのではないかと、思ってみていたのですが。素直で嘘がつけない性格だからこそ、思っていることや感じていることがそのまま言葉や態度に出てしまう。苦手なことや嫌いなことをやってみる前から尻込みをする。そういったことが年々少なくなっているように感じて。そもそも、(自他共に認める)好き嫌いの激しい錦戸さんが、何故「頑張ってみよう」と思えるようになったのか。焦らしたり、悪戯をしたりして中々本心が掴めないので、そのきっかけは知る由もないのですが。

 

 

 

 そうそう。新たな挑戦、と言えば。31歳の錦戸さんを振り返る上では欠かすことのできないワードがもう一つ。“関ジャニ∞の元気が出るLIVE!!”にて初披露されたサックス。数年前、某番組*2にて楽器部屋の写真が公開された時は「(サックスは)プーと鳴るだけ」「売り払えば?」なんて冗談交じりに話していたのは、寡黙であることを美学とする、ひたすらに「語らない」ことを貫いているからなのか、それともただの照れ隠しなのかは分からないけれど。少なからず、ここ数ヶ月はグループでの活動に加え、ドラマ撮影で多忙な日々を送っているであろうはずなのに。サプライズの仕掛人、恐るべし。

 きっと錦戸さんの頭の中には、AとBとはたまたZ、といったような発想の引き出しがいっぱいあって、それを丁度いい塩梅に料理するのに長けている、といつも感心してしまうのですが。それでいて、“The・錦戸亮”という世界観は健在で。『ビースト!!』の台詞部分、“店長!”から曲調が“転調”した時にも、これは!と驚いたのですが。読み込めば読み込むほどに味が出てくる、コミカルで遊び心満載の歌詞。バナナジュースを作ることに嵌り、ある日横山さんに勧めたところ「めっちゃ美味しい!」と褒めてもらえたことが嬉しくて、ライブがあるたびに振る舞うようになった錦戸さん。それもただのバナナジュースでは飽きてしまうだろうと「今度はブルーベリー入れてみよう」「バナナとイチゴの割合もちゃんと考えて」健気すぎる…。「今日はええわ」と断った日には、「紙コップ一杯やんか!そこは飲んでくれよ!」といじけ。その様子を見かねたすばるくんの「そんなにバナナジュース好きなら曲作れや」という鶴の一言から誕生したといっても過言ではないこの曲。管楽器の中から「サックスはどっくんが持ってるってスタッフさんに言われたから」トランペットを選択したという横山さんとのユニット曲で、錦戸さんがサックスを演奏する(しかも上手い)。バナナくんとミルクちゃんが織りなす、甘くフレッシュなハッピーデイズ。こんなにもお洒落で、甘酸っぱくて、素敵な物語になるなんて想像もしていなかったので、ああ、やっぱりこの人のことが好きだと心の底から思いました。

 

 

 

 ファンになった当初は、小学生ながらに「この人が30歳になっても好きでいられるのだろうか」と不安に駆られたこともあったのですが、その30歳を超えて32歳を迎えた2016年11月3日現在、31歳の錦戸亮さんも大好きだったのだから、きっとずっと大好きなのだろうと開き直り、すっかり安心しきってこの現状を楽しんでいます。

 

 

 そもそも、何故こんなにも錦戸さんを好きなのだろうか。その答えを出すことができないまま、ごめんね青春!の平ちゃん先生みたく、11年間、ずるずるとここまで思いを引き摺ってきてしまいました。ああでもない、こうでもないとあれこれ考えるのですが、結局のところ溢れ出す思いをうまく纏めることなんてできずに、好きなことに理由なんてない!というところに辿りつくのは目に見えて分かりきっていることなのに。どれくらいのキャパシティで迎え入れればいいのだろう、どれくらいのスペースがあれば全部取っておけますか?と自問自答したくなるように。

 

 

 錦戸さんのことが好きだから、錦戸さんを彩る全ての要素が愛おしくて堪らないのです。だから、錦戸さんにはいつだって幸せであってほしいし、笑っていてほしい。できることならば、笑っているところを見せてほしい。錦戸さんの笑顔には、魔法のような不思議な力があるのだから。自分のことを挫折顔だから屈折した役柄が多い、と冗談交じりに話していたことがあったけれど、そういった役柄を求められるのは、きっと笑顔がとびっきり似合うからだと思っています。ドラマや映画での心をきゅぅっと締め付けられるような憂いのある泣き顔もいいけれど、笑顔はもっと素敵です。

 ジャニーズ事務所では例を見ない、前代未聞の2つのグループを掛け持ちしていた錦戸さん。その分、喜びや楽しみは2倍だけれど、悲しみや苦しみも2倍。「自分がどんなに頑張っても解決できないスケジュールの問題」で、NEWSを離れるという大きすぎる決断をした26歳の秋。脱退発表から初めての公の場で、関ジャニ∞のメンバーを背に、「新しいNEWSと山Pのことも応援していただけたら嬉しい」と、瞳を潤ませ、時折言葉を詰まらせながら決意を語り、深く頭を下げた錦戸さん。その表情がどうしても脳裏を離れなくて。儚くて脆くて、今にも崩れ落ちてしまいそうで。そんな錦戸さんだからこそ、十祭オーラスでの挨拶がじんと心に沁みました。

 「関ジャニ∞に居場所を見つけられた」のが20代最後とするならば、31歳はその居場所にいるための努力をし始めた、その居場所で輝き続けるための術を身に着けようとした一年だったのではないかと思っています。これまでは自分を守るためにどこか虚勢を張っていたという錦戸さんが、少しずつ自分で纏っていた鎧を脱いで、心穏やかに過ごせる日々や、ありのままでいられる=フラットでいられる時間が増えること。屈託のない笑顔が沢山見られる一年になりますように、と願うばかりです。

 

 

 

 

 錦戸さんの好きなところを書き出してみたら、きりがありません。悪戯っ子のような無邪気な笑顔も、照れた時に頬っぺたを両手で覆う癖も、ギターを掻き鳴らすロックな表情も、根っからの末っ子気質で甘え上手なところも、素直さが故の不器用すぎる愛情表現も、家族や仲間想いなところも、全部、全部大好きなんです。その好きだという気持ちを文章にする時、想いのたけを全て纏めることが出来たら良いのですが、いつも伝えきれなくて歯痒い想いをします。でも、その好きだという気持ちは留まることを知らず、日々溢れ出してきます。ここまでに「錦戸さん」「錦戸亮」という言葉が、そろそろゲシュタルト崩壊するのではないかと思うほどに頻出しておりますが、1年に一度の記念日ということで目を瞑っていただけたら、幸いです。

 

 

 

 31歳、おかげさまでとっても楽しかったです。錦戸亮(30)の世界もとっても魅力的だったけれど、錦戸亮(31)の世界は一層輝きに満ちていて。キラキラとして、眩しかった。

 

 

 

 『トットてれび』の坂本九さん役、そして約2年振りとなる主演映画『羊の木』。錚々たる出演者の顔ぶれの中に名を連ねる、“錦戸亮”という3文字の存在感。他の誰でもない、昭和の名スターという大役に錦戸さんが抜擢されたという事実がただただ嬉しくて。『羊の木』に至っては、4年前から構想を練り、錦戸さんを誰と対決させたら面白くなるかを軸に据え脇を固める共演者の方々をキャスティングし、「演技の懐が深い」と監督より直々に指名を受けたそうで。これ以上ない、最高の褒め言葉ですよね。

 2012年の錦戸亮を見てきた人が、4年後、さらには6年後の錦戸亮、もっと懐の深い演技をするであろう錦戸亮を見据えて、彼を軸に構想した主演映画が待っている2018年の世界。今この時の錦戸さんが、確実に未来の錦戸さんに繋がっているのだと思うと、嬉しくて嬉しくて仕方がないです。

 

 

 

 錦戸亮は、どこまでも行けると思う。そう強く思わずにはいられません。

 今までもこれからもいつまでも、よろしくお願いします。

 今日という日が、錦戸さんの笑顔溢れる素敵な一日になりますように。

*1:2013年放送 『ザ少年倶楽部プレミアム

*2:2010年8月1日放送 日本テレビ系『おしゃれイズム』

同じ星が今見えるなら 僕らはただそれだけでいい

 2011年10月7日。

 世間的には普通の日、かもしれません。けれど私にとってはきっと一生忘れない、特別な日になりました。そうそう。5年前の今日の日も、あの日と同じ金曜日でしたね。

 

 

 

 私がそのことを知ったのは、その日の夜、偶然開いたYahoo!ニュースでした。3連休明けから始まる中間考査のための勉強も一段落し、息抜きがてら錦戸さんを見よう!と思い、ふとパソコンを立ち上げたのが19時30分頃(だったと記憶しています)。何も知らない私の目に映ったのは、“山下智久錦戸亮、NEWSを脱退”という見出し。その時の衝撃を今でもはっきりと覚えています。思考回路はたちまちショートして、その後の勉強は全く手につかず。せっかく書いた文字も、涙で滲んで読めなくなってしまいました。

 

 

 

 今までにも何度か、NEWSや関ジャニ∞、そして錦戸さんに大きな仕事が決定するたびに囁かれていたグループの脱退説。NEWSが24時間テレビメインパーソナリティを務めると発表された時。錦戸さんの初主演映画・初主演連続ドラマが発表された時。その度に「そんな訳はないだろう」とあっさりと右から左へ受け流していたけれど、今回ばかりはすぐに本当だと悟りました。

 

 近頃のNEWSとメンバーとの絆を確かめ合うかのような小山さんの“メンバー愛”。いつの間にかJohnny’s webから削除されていた“NEWSmile”。そして、“関ジャニ戦隊∞レンジャー”での錦戸さんの意味深な文章。

 

 NEWSに何か動きがある。そう覚悟はしていたつもりですが、あまりの衝撃に言葉も出ず。その日のNEWS ZEROで報道されていた時はただただ茫然としていたのに、翌日の深夜0時を回った瞬間に山下さんと錦戸さんの名前が一気にNEWSのプロフィール欄から削除されて、「これは夢じゃないんだ」「こんなにも呆気ないものなのか」と一気に現実に引き戻されたというか。

 

 

 

 錦戸さんがNEWSと関ジャニ∞、前代未聞の2つのグループを掛け持ちすることが決まったあの日から、いつかは錦戸さん自身がどちらかのグループを選ばなければいけない、選ばざるを得ない瞬間が来ることは、心のどこかで覚悟をしていたつもりでした。そして、もし「その日」が来た時、来てしまった時、

 

関ジャニ∞のメンバーとは)お墓に入るまで付き合っていきたい関係

関ジャニ∞を辞める時は、芸能界を辞める時

 

 ———そう公言している彼が選ぶのは、やはり古巣である関ジャニ∞であろうということも、分かっていたつもりでした。けれど、永遠に続くと思っていた、終わることなんてないと思っていた掛け持ちが解消される日が来るなんて。その時が紛れもなく「今」だなんて、本当は全く覚悟なんて出来ていなかったのです。

 

 これから「NEWSと関ジャニ、どっちが大事なの?」(by 中居正広さん)という定番の質問に「両方です!どっちも好きです、うまく生きていかないとだめでしょう?」と苦笑いをしながら答えることも、NEWSと関ジャニ∞の新曲発売やツアー日程のことで両方のグループのファンがやきもきすることもなくなるのだと思うと、何だか少しだけ、ほっとしたけれど。

 

 

 

 それでもやっぱり、私は“NEWSの錦戸亮”が好きでした。大好きでした。

 

 

 

 メンバーを年齢順に並べた時、関ジャニ∞では下から2番目になる錦戸さんですが、NEWSでは最年長。そのことも関係してか、NEWSの“裏の番長”“影のリーダー”と称されるように、関ジャニ∞ではきっと恐らく見ることができないであろう、兄貴分としてNEWSというグループの柱を担う錦戸亮がそこにはいました。

 

 

 

 2012年、関ジャニ∞全国デビュー8周年という節目に開催された∞祭パンフレット*1にて、

 

(錦戸が変わったと感じたのは)NEWSでデビューしてから。亮は亮であっちでいっぱい学んだことがあったんやなぁ、と思った。それこそ関ジャニ∞でコンサートするっていう時に、グッズや衣装について、亮がNEWSの活動の中で会得したことを教えてくれたしね

 

と語っています。その発言にもあるように、4人兄弟の3男坊・根っからの末っ子気質で甘え上手な錦戸さんが、「(自分が)喋らなくても喋ってくれる」という環境を離れて、「喋る人があんまいなくて、喋らな!まとめな!」と自分よりも年下で経験も浅いメンバーを引っ張ろうとしていたことが窺えます。

 

 「最初はそんな風に考えていたけど、途中からやっぱりしんどくなった」「自分が一番楽になれるようにしようと思った」、という気持ちを錦戸さんが抱き始めたのがいつの頃からかは分かりませんが、段々とNEWSというグループ・個人としての知名度が上がるにつれて、はっきりと目に見えていた溝も少しずつ、少しずつ埋まっていくのを感じていました。

 

 2008年年末から2009年年始にかけ開催された“NEWS WINTER PARTY DIAMOND 2008-2009”では、メンバーが主体となり選曲・踊り・衣装・グッズなど全てを自分たちでプロデュースしていくという初めての試みをしたNEWS。「本当にゼロから一曲一曲決めていったらお客さんにどう届くのかっていう…変な言い方をすれば、賭けなんですよね」という言葉が物語るように、このコンサートに賭けるメンバーの想いは相当なものだったのだろうと思います。深夜を回っても続く打ち合わせ。観客の気持ちを想像しながら選曲を決めていく中で、意見がぶつかり合うことも。その中でも、率先してメンバーを取り仕切る錦戸さん。決して大きくはないあの背中が、ものすごく逞しく見えました。

 

 

 

 あの脱退から5年が経った今考えてみれば、“NEWSの錦戸亮”、そして“関ジャニ∞錦戸亮”。そんな違いを見つけて楽しむことは、ものすごく贅沢なことだったのだろうと思います。けれど私は、白の世界(NEWS)と原色の世界(関ジャニ∞)に遜色なく染まることの出来る、自分自身のことを「透明のような感じ。白に重なったら白になるし」と表現していた錦戸亮がたまらなく好きでした。

 

 

 

 それにNEWSというグループの素晴らしさは言わずもがな。楽しい時も、嬉しい時も、悲しい時も、辛い時も。心にそっと寄り添ってくれる、そんな楽曲の数々。少しがさついた男らしい歌声の山下さん・錦戸さん・加藤さん、柔らかくて丸い歌声の小山さん・増田さん・手越さん。一見すると決して混ざり合うことのない両極端な歌声が、合わさると不思議と溶け合って、NEWSにしかない歌声になるのが好きでした。

 人生の2分の1を共に過ごし、幼馴染の男の子同士が呼び合うように「P!P!P!」と山下さんを呼ぶ錦戸さん。「俺たちはNEWSの最年長やから」と小山さんと2人で兄貴ぶる錦戸さん。加藤さんの口いっぱいにたこ焼きをほくそ笑みながら詰め込んだ後、「お前もっと自信持てや。いつも言ってるやろ、『I・ZA・NA・I・ZU・KI』の時も自信持てって」と謎の激励(?)をする錦戸さん。コンサート前、加藤さんのソロ曲『カカオ』『シャララタンバリン』を大音量で熱唱する錦戸さん。「錦戸くん!錦戸くん!」と語尾を強めて先輩をいじる増田さんと、それをまんざらでもない様子で見つめる錦戸さん。いつの間にか「亮くん」と呼ぶようになっていた手越さん。そんなNEWSのメンバーと一緒にいる錦戸さんが好きでした。

 

 

 

 5年前のあの日以来、もう一生「NEWSの楽曲を歌い踊る錦戸亮」「NEWSのメンバーと一緒にいる錦戸亮」を見ることは叶わないと思っていました。どんなに思い焦がれても、もう私の好きだった“NEWSの錦戸亮”はいない。そう自分の気持ちに踏ん切りをつけて、諦めかけていたのに。信じていれば、叶うものなのですね。

 

 

 

 2016年6月15日。NEWSが司会を務める番組『ザ少年倶楽部プレミアム』に、関ジャニ∞がゲストとして出演しました。次回予告にて“次回ゲスト 関ジャニ∞”との告知がなされた時は、もう一度NEWSのメンバーと一緒にいる錦戸さんを見ることが出来るかもしれない…と一瞬だけ浮ついた気持ちになったけれど、あれそれできっと難しいだろうと思っていました。放送2日前にHPが更新され、「錦戸が明かす増田の素顔」という文字を目の当たりにするまで、ずっと胸の奥がざわざわしていた1ヶ月だったように思います。心臓に悪い。

 

 覚悟を決めてテレビの前にスタンバイしたはいいものの、番組開始1分で止めどなく涙が溢れてきて駄目でした(注:まだ本編すら始まっていない)。番組ゲストとして、関ジャニ∞のメンバーとしてNEWSと対面する時に、深々と丁寧に、そしてにっこり微笑みながらお辞儀をする錦戸さん。「今日初めてこの感じなんで、あんまり目も合わせられない」「言うてもちょっとナイーブじゃないですか」なんて言いながらも、何だか嬉しそうに、照れ臭そうに話す錦戸さんがとっても愛おしくて。それだけで胸がきゅぅっと締めつけられました。

 

 そしてそもそも、NEWSと共演出来るという自体が嬉しくて。今まではどこか、タブー———とまではいかないけれど、腫れものに触るというか。「歌番組で顔を合わせても、言葉を交わすことはなかった」とか、脱退した2人に対して「未だに思うことがある」と敢えて引き摺っているメンバーがいたりとか。そんな状況にありながら、「未だに思うことのある」人(=錦戸さん)を前にして、果たして楽しげにトークなんて出来るのかと思っていたけれど、そんな心配は杞憂でした。

 小山さんの「亮ちゃん」呼び。本番と楽屋で一番ギャップのある人は?という質問に、「本番だから本番スイッチは入れるじゃないですか。そうですよね、僕そうでしたよね?昔から…」と唯一本当の楽屋の様子を知っているであろう錦戸さんをいじる増田さん。手越さんのひき肉ダンスを優しい眼差しで見つめる錦戸さん。「(錦戸さんが手で握りつぶしたから揚げを)僕は食べましたよ!先輩だったし怖かったし!」「お前、そんな言い方すんなよー!」と後輩・加藤さんからの衝撃発言にしどろもどろする先輩・錦戸さん。あの頃と変わらない、私の好きだった“NEWSのメンバーと一緒にいる錦戸亮”がそこにはいました。

 

 

 

 さらに嬉しかったことがもう一つ。今年の7月から9月にかけ開催された“関ジャニ∞リサイタル 真夏の俺らは罪なヤツ”。その中で「NEWSの楽曲を歌い踊る錦戸亮」が見られたこと。まさか発売から8年後の夏、この曲で泣くことになるなんて、当時は思ってもみなかったです。

 

 リサイタルでサマタイを披露する———知人からその知らせを受けた時、頭の中は思わず真っ白になりました。脱退から5年後となる2016年夏、とんでもないものを放り込んできたな、と。こんなにも緊張しながら1ヶ月という時間が過ぎるのを待つのは、初めての経験だったかもしれません。そして迎えた当日。私は相当の覚悟と、若干の淡い期待を抱いて会場へと足を運びました。

 

 イントロが流れた瞬間、高鳴る胸の鼓動。まさかあのタイミングで披露するとは思ってもみなかったので、あ、と心の声がダダ漏れになってしまったけれど。きっと間抜けな顔をしていたのだろうな、という後悔はあとにして。始めから終わるまで、決して流すことなく丁寧に、そこにいた誰よりも完璧に歌って踊る彼がいて。しなやかなダンスも、歌い出しの「手招きしてる太陽」の歌声もあの頃のままで。この機会を逃したら、次にいつ“NEWSの楽曲を歌い踊る錦戸亮”を見ることが出来るか分からない。だからこそ、目に焼き付けておきたい、心に刻んでおきたいと思っていたのに。そんな気持ちとは裏腹に、溢れる涙は止まることを知りませんでした。

 

 

 

 けれど、あれだけ思い焦がれていた「NEWSの楽曲を歌い踊る錦戸亮」「NEWSのメンバーと一緒にいる錦戸亮」を見ることが出来て、ようやく前に進めるような気がしました。もう私の好きだった“NEWSの錦戸亮”はいないけれど、“関ジャニ∞錦戸亮”として、エースとして先陣を切って走り続ける彼がいる。更なる高みを目指して、頑張り続ける彼がいる。その事実だけで十分です。

 

 もうあの頃のように、NEWSにいた頃の面影を探して切なくなったりもしない。かつては錦戸さんが歌っていたパートを他の誰かが歌っていても寂しい気持ちになったりもしない。2人の脱退でグループ存続の危機にあった時、「4人でもNEWSを続けていく」という強い覚悟がなければ、もう一生歌われることがなかったのかもしれない楽曲の数々。今では大切に歌い継いでくれて、思いを繋いでくれてありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいです。チェリッシュで錦戸さんが「歌って!」とマイクを掲げ自分のパートをファンに託す場面も、そのまま加藤さんが引き継いでいるというエピソードを聞いて、“NEWSの錦戸亮”は確かにそこにいたのだと嬉しくなりました。

 

 

 

 

いつの間にか年重ね 世間で言う立派な大人だね

信じてきたモノはそれぞれに 譲れない部分もそれぞれに

無理に一つにならずに 混ざり合えない日はそのままでいい

一人一人が持つ色だから 鮮やかなマーブル描けばいい

 

 今なら、Shareの錦戸さんが作詞をしたパートの意味が分かるような気がします。

 

 

 

 “同じ星が見えるなら 僕らはただそれだけでいい”。

 NEWS、関ジャニ∞山下智久と別々の道を歩む彼らですが、いつの日か、いつの日か。あの頃のように屈託のない笑顔で笑う6人が見られますように。そう強く願っています。

*1:村上さんインタビュー