君の未来に幸あれ/錦戸亮さん (35) に寄せて

 

 錦戸亮さん、35歳のお誕生日おめでとうございます!!!

 

  タイトルにもありますが、キーボードを打ち込みながら錦戸亮さん (35) 、という数字に愕然としました。錦戸亮さん (35) 。好きになった当初、私はまだランドセルを背負った小学生、錦戸さんは20歳だったので、確実に時は流れているのだと感慨に浸るのと同時に、「好き」という気持ちも熱を帯びていく一方で収まる気配を知らず、日々溢れ出してくることに驚いてもいる、この2019年11月3日です。

 今日を以って錦戸さんが35歳のお誕生日を迎えてしまったということは、どんなに足掻こうともがこうともう二度と錦戸亮さん (34) の世界には戻れない、ということです。錦戸亮、という名前の後ろに (34) と付く期間が365日間しかない。その「時」に限りがあることなんて、とうに分かりきっていたことなのに。今になって、「永遠」なんてないのだと、その言葉の意味を噛み締めています。

 

 

  錦戸亮さん。34歳、貴方にとってどんな一年になりましたか?

 

 

 「月9単独初主演」。錦戸亮さん (34) の一年を語る上で、絶対に外せないのはこのワードではないでしょうか。“NEWS・錦戸亮”でも、“関ジャニ∞錦戸亮”でもない。いわゆる“(ジャニーズ事務所所属の)アイドル・錦戸亮”からではなく、“俳優・錦戸亮”がきっかけでファンになったことが影響しているからか、やっぱり“俳優・錦戸亮”には特別な思い入れがあって。

 

 

「もう10年以上、演技の仕事をさせていただいていますが、自身の芝居に手ごたえを感じているかと訊かれても、自分から「感じています」とは言えません。ただ、手ごたえを感じる作品に出演したい」とは常に思っています。

 (中略)個人での活動も同じで、せっかくやるなら自分にしかできないことをやりたい。そういう意味で僕にとってお芝居の世界は、自分がいたい場所であり、唯一、ここだったら勝負できるかもしれないという場所なんです。」

 ———「自分がいたい場所」であり、「唯一、ここだったら勝負できるかもしれない」というお芝居の世界。その場所で、たった一人で戦う錦戸さんを見て、ああ。彼は、錦戸亮は、こういう人だったと。どんな仕事でも恐れず先陣を切って突っ込んでいく。多くを語らずとも、いつだって、色んな壁を、峠を。そして、私たちファンの期待を遥かに越えて楽しませてくれる彼のことだから。次はどんな世界を見せてくれるだろう、何をしでかしてくれるだろう。期待をするな、と言われても。どうしたって、期待をせずにはいられなくて。

 

 

「原作や台本を読んだときに、まずクールな印象を受けました。ただ、本読み(台本の読み合わせ)をしたときに、「もっとクールな方が良い」と言われて…。僕の中で考えていたイメージより、もっとクールな感じを出さなければいけなかったので、「クールって難しいな」と。22、3歳でクールな役を演じるときは、多分何の抵抗もなく出来たと思うのですが、34歳にもなってくると、ちょっとクールって恥ずかしくなってくるんですよ (笑) 。でも、クールというか、大人の冷静さみたいな部分を出せるような、22、3歳では出せないような雰囲気を作れればいいかな、と思っています。」

 ———ドラマ初回放送開始前のインタビュー、「真野礼二というキャラクターに対して、どのような印象を?」と尋ねられ、そう意気込みを語った錦戸さん。「今までで一番クールと言うか、ちょっとカッコイイ感じの喋り方してます。」と、“俳優・錦戸亮”史上で最もクールな役だという真野役。演じている本人がそう言うくらいなので、一体どのくらいクールなんだろうと思いを廻らせていましたが、それでも100%成立させた。22、3歳では決して出せなかったであろう大人の冷静さと男の色気で魅せたのは、さすが“俳優・錦戸亮”だと。

 

 

 

 ドラマ制作発表会見にて、

「次の(時代に)変わったとしても覚えてもらえるような、僕にとって『ロンバケ』、誰かにとっても『ロンバケ』(のような作品)になればいいなと思います。」

 ———と今年の抱負を語った錦戸さん。今までの月9の常識を覆す本格派サスペンスドラマ。王道、ではなかったかもしれない。けれど、間違いなく心に残る「誰かにとっての『ロンバケ」になったと思います。「主演でなんか一個欲しい」という錦戸さんにとっての代表作が見つかったこと。そのくらい、錦戸さんにとって大きな分岐点=ターニングポイントになったであろう、この『トレース~科捜研の男~』。

 

 

 

 

 

 けれど、まさか。まさか、35歳を目前にして、大きな分岐点=ターニングポイントが錦戸さんの元にやってくるだなんて、夢にも思っていませんでした。

 

 

 

 

 

 2018年7月8日。2015年5月10日の番組開始以来、初の生放送が行われた『関ジャム 完全燃SHOW』を最後に、“関ジャニ∞渋谷すばる”としての最後のテレビ出演は終了し、それと同時に、“7人の関ジャニ∞”は終わりを告げました。

 

 

 本当に本当に本当に最後の、“7人の関ジャニ∞”、最後の演奏。『LIFE~目の前の向こうへ~』。序盤・すばるくんとのパート、「まだまだ終わらないから」を歌い上げた後。感情を露わにして、一筋の涙を流した錦戸さん。

 

 

  “事務所に入所したてで右も左もわからない13歳の僕を、可愛がり道標を示してくれた”先輩である、すばるくん。しかも、“関ジャニ∞でもずっと2人で歌ってきた”、同じメインボーカルを務める2人。理由は違えど、またメンバー一人がグループから離れてしまうという現実。寂しくない、辛くないはずなんてないのに。それでも、精一杯「寂しい」という感情に蓋をして、これからの道を一人で切り拓く決心をした仲間の背中を押してくれた。「門出の日」なんて、なかなか言える言葉じゃない。改めて、強い人だと思い知らされたのですが。

 

「でも正直僕は次のステージしか見据えてないです。」

「見ている皆さんが楽しめるかどうかはわからんけど、うん。越えなきゃ。色んな壁を 峠を 皆さんの期待を よっしゃ。」

 ———会見でも、『関ジャニ戦隊∞レンジャー』でも。そして、『関ジャム』でも。じっと前を見据えて、力強い言葉で、折れないように必死に自分を奮い立たせていたけれど、本当は「やっぱ寂しかった」んだと。

 

 

 

正直、世の中に「永遠」なんてない。

 ———誰よりも「永遠」という言葉を信じ、「永遠」という言葉に縋っていた錦戸さんが、「永遠」なんてないことを知ってしまった、あの日から。

 

 

「6人の関ジャニ∞もいつまで続くかなんてわからへん。」

関ジャニ∞錦戸亮として、過ごせる間は精一杯やりたいと思います。」

 ———「永遠」なんてないけれど、その言葉がある限り、私も精一杯ついていこうと。

 “7人の関ジャニ∞”として最後の『関ジャム』生放送を終えた後。ジャニーズ事務所を、そして関ジャニ∞を“中退”したすばるくんへ向けて送ったメール。「これからの関ジャニは僕が引っ張って行きます。」という言葉の通り、関ジャニ∞のメインボーカルとして、エースとして。6人の新体制で臨んだ初の5大ドームツアー『GR8EST』。あの泣き顔はどこにもなくて、強く導いてくれた、半端なく逞しくなった錦戸さんがいました。中には錦戸さんから「誰にも彼の代わりなんてできないでしょうからね。ていうのは僕はすごく思ってたから『ごめん、俺に歌わせて』って言いました」「誰かが代わりに歌うぐらいやったら俺がそのまま歌う」と言った曲もあったそうで。今まですばるくんが歌っていたパートを引き継ぐ、ということ。言葉にすれば簡単ですが、そこには並みならぬ思いとプレッシャーがあったはずで。改めて、彼の“覚悟”を感じざるを得ませんでした。

 

 

 

 「7人が6人になること。世間からは一人減るだけ。言葉にすればそれで終わりですが、そんな簡単なことではありませんでした。一人がいなくなることにより、絶妙に保っていたバランスが急に崩れてしまいました。そこからヤス(安田さん)が動けない状態での5大ドームツアー。どうにか皆に気づかれないように頑張っていたんですけど、心は擦り切れて限界に近づいていました。」

 ———錦戸さんの関ジャニ∞からのグループ脱退とジャニーズ事務所からの退所が報じられてすぐ、自身がパーソナリティを務めるラジオ『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』の番組冒頭、ファンへ今の思いを伝えたいと用意してきた手紙を約10分に渡って読み上げた大倉さん。「eighterのみなさんへ」と始まった手紙には、今の率直な思いが綴られていました。全員が満身創痍の状態でグループ活動や個人活動を続ける中、それぞれが“自分達の人生”、そして、“これからの生き方”について考え、メンバー同士で沢山の話し合いを重ねた結果が、今のこの選択。

 

 

 「全員がグループを閉じる選択をした」中、錦戸さんが選択したのは、7月から始まる5大ドームツアーを最後にグループから脱退、9月末でジャニーズ事務所を退所し、新たな活動を始める、ということ。

 

 

「僕なりの形で、僕なりのエンターテイメントは何なのかを、改めて考え、これからも発信し、恩返しできるよう努めていきたいと思います。」

 ———彼が言う、“僕なりのエンターテイメント”。その本質が、このジャニーズ事務所を通して発表された文書から、全く読み取れないこと。芸能活動を続けていくであろうことは確定だとして、一体これから何をやっていきたいのか。

 

「(関ジャニ∞のメンバーとは)お墓に入るまで付き合っていきたい関係」

関ジャニ∞を辞める時は、芸能界を辞める時」

  ———そう公言していた彼が、20代最後、30代を目前にしてようやく見つけた“居場所”(=関ジャニ∞)を手離してまで、発信していきたい“僕なりのエンターテイメント”って何だろう?

 それは、関ジャニ∞というグループにいては追い求めることのできないものなの?

 

 

 

 

 

 何で?どうして?

 

 

 

 

 

 いくら考えてみても、その答えは出るはずなんてなくて。けれど、12月11日発売の第一弾アルバム『NOMAD』のCDリリースに先駆けて、アルバムのタイトルでもあるリードトラック『ノマド』の先行配信を聴いて。

 

 

目的地なんて今はまだ言えなくたって どうだっていいんだ

右往左往するより 進んでいたいから

  ———私の拙い語彙力では到底表現できない、この感情。気がついたら、頬に涙が伝っていました。

 

 

 2019年9月5日。7月から始まる5大ドームツアーを最後にグループから脱退、9月末でジャニーズ事務所を退所することが発表されてから、9月30日を迎えるまでの約1ヶ月間。9月3日に千秋楽を迎えた「5大ドームツアーを最後にグループから脱退」したということは、発表された時点ですでに“6人の関ジャニ∞”は終わっていて、もう二度と“関ジャニ∞錦戸亮”には会えない、ということ。その事実だけが、どうしたって寂しくて、悲しくて。7人でも6人でも5人でも、関ジャニ∞を好きな気持ちに変わりないはずなのに、そこに彼がいないこと。自身2度目となる47都道府県ツアーの開催、新曲『友よ』が日本テレビ土曜ドラマ『俺の話は長い』の主題歌に決定、ホストを務める『関ジャムFES』の発表———。彼のいないところで新たな歴史がはじまることが辛くて、その行き場のない思いをどこにぶつけたらいいのか。その答えを、見つけられずにいました。

 

 

 2019年9月30日。“(ジャニーズ事務所所属の)アイドル・錦戸亮”として、本当に本当に本当に最後の日。この日を最後に、しばらく錦戸さんの姿を見ることはできないかもしれない。そして何より、これから先の具体的な活動の指針が分からないことが不安で。音楽なのか、芝居なのか、はたまた違った分野なのか。既存の事務所に所属するのか、個人で事務所(レーベル)を立ち上げるのか。いずれにしても、この機会を逃したら、もう二度と“(ジャニーズ事務所所属の)アイドル・錦戸亮”さんへ、感謝の気持ちを伝えることができなくなる。いつも「ありがとう」を貰ってばかりで、何もお返しできていない。「応援して頂いた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです」という言葉を残して去っていく錦戸さんの気持ちに、せめて応えてあげたかった。後悔なんてしたくない。その思いに突き動かされて、14年間書けずにいた、ファンレターを書きました。

 錦戸さんへの「好き」という気持ちが積もりに積もってブログを開設するまでの私が、いざ本人に届ける形で書くと一体どんなファンレターになるのだろう。伝えたい言葉は山のようにあったけれど、「好き」という気持ち。そして、最大級の「ありがとう」と、心の底からの「お疲れ様」。その気持ちさえ伝わればいい、という結論に行き着いて、便箋2枚分、約1,500字に思いを落とし込めました。封筒に切手を貼って、郵便局まで出向き、ポストへ投函する時。どうか、笑っていてほしい。どうか、幸せでいてほしい。そう、強く思っていました。

 

 

 ジャニーズ事務所とのタレント契約が満了する9月末。その日を迎えてしまったら、しばらく錦戸さんの姿を見ることはできないかもしれない。1年、いや、2年。それ以上でも。余裕で待つ覚悟だってできていました。けれど、日付が変わった10月1日午前0時。こちらに「寂しい」「悲しい」という感情を抱かせる前に、そして、“天性のアイドル”だった錦戸亮との別れを惜しむ暇さえ与えないくらいの、秒速での再始動。まさか、こんなにも早く姿を見せてくれるだなんて思ってもみなくて、YouTubeで解禁された映像(Point of Departure)を見た瞬間、思わず自分の目を疑いました。え?嘘でしょう?本当に?———さすが、困っている女は見たくない。本物のスーパーマンには敵わないけど、出来るだけ早く君のところへ飛んで行く。愛の戦士・ラブスーパーマンは違うな、と。

 

 主宰レーベル『NOMAD RECORDS』設立&アルバムリリース、全国ツアー『錦戸亮 LIVE TOUR 2019 “NOMAD”』開催決定、ファンクラブオープン、公式SNSTwitterinstagram・weibo・YouTube)解禁———。ファンになってからの14年間、当然“(ジャニーズ事務所所属の)アイドル・錦戸亮”としての顔しか知らなかったので、この1ヶ月間、今までに見たことのない錦戸さんの顔をたくさん見てきました。秒速でソロ活動をスタートさせた錦戸さんに置いて行かれないように、躊躇う暇もなく加速して。全開でアクセルを踏み込んで、その流れに必死に付いていこうとしました。けれど、どうしたって「寂しい」「悲しい」という感情を拭い去ることができない。錦戸さんから発信されている“僕なりのエンターテイメント”を純粋に楽しめていない。そんな自分がいることに、複雑な気持ちでいました。けれど、『ノマド』を聴いて。目的地なんて今はまだ言えなくたって、どうだっていい。右往左往するより、進んでいたい。きっと、これから先の具体的な活動の指針なんて決まっていない。けれど、やりたいこと、やるべきことは後ろにはないし、右でも左でもなく前に進むしかない。どこまでも真っ直ぐで、力強くて、化粧っ気のない歌詞。「さぁ 歌っていこうか」「さぁ 挑んでいこうか」と、形振り構わず叫ぶような歌声を聴いていたら、何だか堪らなくなって。そこにいたのは、何も変わっていない。私の知っている、私の大好きな、錦戸亮でした。

 

 

 

あの日描いた理想まで いつか辿りつけるまで

まだまだまだって 根拠のない自身が溢れ出す Monday

ノープランでも行こうぜ

何が起こるかなんて Nobody knowsで Anytime anyplace 準備はOK!!

  ———“(ジャニーズ事務所所属の)アイドル・錦戸亮”として。そして、“関ジャニ∞錦戸亮”として。最後に作詞した楽曲『月曜から御めかし』。

 

大人になるってどういう事?

外面良くして35歳を過ぎた頃オレたちどんな顔?

かっこいい大人になれてるの?

  ———22、3歳で同じように一週間をテーマにした楽曲『weeeek』を歌っていた錦戸さんが、その「35歳」になるのを目前に、新たな一週間を創り上げたこと。どう考えてみたって、これ以上好きになる以外の選択肢なんてなくて。

 

 

 

 大丈夫だよ。かっこいい大人になれてるよ。と、そっと背中を押します。

 

 

 

 34歳、おかげさまでとっても楽しかったです。錦戸亮 (33) の世界もとっても魅力的だったけれど、錦戸亮 (34) の世界は一層輝きに満ちていて。キラキラとして眩しかった。けれど、錦戸亮 (35) の未来は錦戸亮 (34) の世界より素晴らしいものだって、胸を張って言えます。

 

 

 

 今までもこれからもいつまでも、隣にいてください。
 今日という日が、錦戸さんにとって素敵な一日になりますように。

 

 

 

 錦戸亮の未来に幸あれ!!!