渋谷すばるさんへ。

 

    ーーーどうか夢であってほしい。夢であってくれ。

    そう強く願っていたけれど、その思いが届くことはありませんでした。

 

 

 

    今からちょうど一週間前。4月15日午前9時30分。

    関ジャニ∞のファンクラブ会員宛に、“関ジャニ∞のメンバーからの大切なお知らせ”と銘打ったメールが届きました。そして今日の11時、添付してあるURLからログインし、メッセージを確認してほしい、とも。未だかつて、このような“大切なお知らせ”をする時に、所属事務所(=ジャニーズ事務所)がこんなにも用意周到であったことがあったであろうか。私のオタク人生十数年余りで培った経験上、そういった“大切なお知らせ”が良い知らせであったことは一度もなかったため、メールを受け取った瞬間、胸の鼓動がたちまち早くなるのを感じました。

 

    以前からメンバーが公言している、そしてメンバーが日本から飛び出していくような2018年の年賀状デザイン、関西国際空港をバックにした最新のアー写からもその存在を匂わせているアジアツアーの開催発表?

    “関ジャニ∞からのお知らせ”ではなく、“関ジャニ∞のメンバーからのお知らせ”とわざわざ表記されているところを見ると、メンバーの誰か一人からの重大発表なのだろうか。そうだとしたら、結婚?

 

    ーーー様々な考えが頭を過ぎりましたが、最終的に思ったのは「誰一人欠けることなく、関ジャニ∞関ジャニ∞のまま、7人であり続けていてほしい」、ということ。ただそれだけでした。関ジャニ∞が、関ジャニ∞のまま7人であり続けてくれるのならば、もう何でもいい。それ以上のことは望まないから、ただ安心させてほしい。後々振り返ってみて、例えば数年後に、「ああ、こんなことあったなぁ」なんて、メンバー全員で笑っていられる出来事であってほしい。

    午前11時を迎えるまでの約1時間30分。今しかない、今この感情を認めておこうと、Twitterを立ち上げてはみたものの、キーボードを打つ指まで震えてくる始末。正直、生きた心地がしませんでした。

 

 

 

    そして、午前11時。その瞬間を迎えたと同時に、添付されていたURLからのアクセスを試みたものの、”アクセスが集中しています”という画面が表示されるのみ。それはそうだ。関ジャニ∞の何十万人といるファンクラブ会員が一斉にそのURLにアクセスしているのだから、繋がらなくて当然だ、と。きっとTwitterを開けば、“関ジャニ∞からの大切なお知らせ”を受け取った誰かが、その話題に触れているであろうことは容易に想像がついたのだけれど。でも、これだけは、こればっかりは他人の目ではなく自分の目で見て確かめたい。そう思い、ただひたすら待ちました。

 

 

    けれど、ようやく辿り着いた先に用意されていたのは、これ以上ない最悪のシナリオでした。

 

 

    先週末に発売された某週刊誌・一部ネット記事で報道がなされた時には、「どうせ嘘でしょう?」「あの関ジャニ∞に限って、ましてやあの渋谷すばるに限ってそんなことはないだろう」と高を括っていたので、当初はあまりの衝撃に言葉も出ず。もし、その一件に関してすばるくんがコメントを出すのであれば「そのような事実はありません」、とあの真っ直ぐな目できっぱりと否定してくれるものだと思っていました。いや、無理にでもそう考えないとやっていけないと、無意識に予防線を張っていたせいかもしれません。

 

 

 

    201∞年、グループ名にちなみ“∞(エイト)イヤー”と銘打ち、デビュー15周年に向けて走り出そうとしていた矢先の出来事。

    5月にベストアルバムを発売、7月からはそのアルバムを引っ提げた5大ドームツアーを回るのに?

    初主演を務めた映画“味園ユニバース”がロッテルダム国際映画祭に正式出典。白無地に大きく関ジャニ∞と書かれたTシャツを身に纏い、異国の地で「関ジャニ∞っていうアイドルグループやってます!」と堂々と宣言してくれた、あの言葉は嘘だったの?

 

「この先は今までの環境ではなく、全て自分の責任下で、今後の人生を音楽で全うするべく、海外で音楽を学び、更に自分の音楽を追求していきたい」

 

    ーーージャニーズ事務所で過ごした15歳からの21年間。人気が関西地区だけでなく全国区へと拡大している、東京でもグループ名だけでなく個人名までもが知れ渡りつつある、この2018年。

    コンスタントにシングル・アルバムも出して、何本ものレギュラー番組・CMも抱えて、日本政府の一大プロジェクトや大阪府の“顔”となる大仕事(=プレミアムフライデーナビゲーター・大阪観光シンボルキャラクター)も任されて。ジャニーズ事務所の中でも、いわば“中堅”と呼ばれる存在になってきたのに。その、今まで築き上げてきたものを全てか殴り捨ててまで、すばるくんが追求していきたい音楽って何だろう?

    それは、関ジャニ∞というグループにいては追い求めることのできない夢なの?

 

 

 

    何で?どうして?

 

 

 

    いくら考えてみても、その答えは出るはずなんてなくて。けれど、じっと前を見据えて、決意を口にする彼を見て。

    ああ。彼は、渋谷すばるは、こういう人だった、と。どこまでも素直で真っ直ぐで、嘘がつけない人だから。だからこそ、中途半端な決断をしなかったんだって。

    誰よりもストレートに愛を届けてくれる人だから。関ジャニ∞が大好きだから、自分一人の勝手な決断で、大切なメンバーに迷惑を掛けたくない。だからこそ、自分から大好きで大切な居場所(=関ジャニ∞)を手離し、もう自分が戻るところはないと、保険が掛けられないようにしたんだって。

    でも、大好きだから、大切だから手離すなんてそんないじらしいこと、目に涙をいっぱい溜めて言わないでほしい。余計に辛くなっちゃうじゃない。そんな悲しそうな顔を見せるのなら、行かないでって、無理にでも引き止めたくなっちゃうじゃない。

    いっそのこと、関ジャニ∞というグループのことも、アイドルという職業のことも嫌いになったから辞めるのであれば、納得がいったのかもしれないけれど。そんなこと、微塵も感じられなかったからこそ。

 

「勝手な決断をしたすばるくんのことを、嫌いになれなかった」

 

    そういう大倉さんの言葉が、全てを代弁してくれている気がしました。グループを離れて海外で音楽を学びたいだなんてそんな勝手なこと、とは思うけれど、関ジャニ∞が大好きだからこその決断なんだって理解できたから、それは送り出すしかないし、私たちに止める権利はないんだって。

 

 

    横山さん。村上さんがすばるくんとの思い出を聞かれ「死ぬ訳じゃないですから!」とくだけた雰囲気になり、他のメンバーから笑いが漏れた時も、ただ一人だけ口を一文字に結び、「正直、今日という日が本当に来ないでほしいという思いでいっぱいだった」と涙ながらに語る貴方を見て。儚くて脆くて、今にも崩れ落ちてしまいそうだった8年前の面影を重ねてしまって、どうしたって胸が苦しくなって。横山さんが泣くのが、一番辛かった。けれど、「メンバー、友達としてはこれからも一緒にいて欲しかった」という思いを抱えながらも、「すばるの思いを男としては尊重してあげたい」と、大きな決断をした“友達”の背中を押してくれた。そして、「前を向いて歩いていく覚悟をした」と力強い言葉をくれた。あのレンジャーも、ね。貴方が、関ジャニ∞の“長男”で良かった。ありがとう、横山さん。

 

    村上さん。会見でも、今後のテレビ出演やライブについてなど代表して話す役割を請け負い、平静に普段通りの姿を貫こうとして。「すばるがいたジャニーズの21年というのは、僕と横山の21年でもある」と積み重ねてきた日々の重さを噛み締めながら、「付き合いの長い僕らからすると、それは尊重する以外の何者でもなかった」。初めは「何でや」と「嫌や」しかなかったけれど、「ここまで腹括ってるんねんなというのは、目を見れば分かった」「目を見れば分かる時間を過ごしてきたというのもある」と、変わらない友情を証明してくれて。最後にメンバー全員での話し合いの場がもたれ、「本当に本当に本当に最後やで。本当に辞めるっていう決断なんやね」と問うた時。理由は違えど、またメンバー一人がグループから離れてしまうという現実。特に、地元も近くで同い年、お互いを「すばる」「(地元の友人しか呼ばないあだ名)むっちゃん」と呼び合う仲である大切な“幼馴染”からの反応を、どんな気持ちで待っていたのだろうと想像すると、それだけで胸が張り裂けそうになるのだけれど。貴方が、すばるくんの“幼馴染”で良かった。ありがとう、村上さん。

 

    丸山さん。あの状況の中でも、「eighterの中にも、ファンの方の中にもどんな風にこういう事実を受け止めるのかというのは、僕たちの手の届かないところで色んな風に想像したり考えたりするのは当然だと思う」と突然の状況に困惑しているであろう私たちファンを思い遣る優しさをくれて。「(すばるくんを)好きすぎて何も言えなかった」「面と向かって話せない分を、夜中に文章で送ったけれど、読み返すのも恥ずかしいくらい好きさが溢れていたので、何を書いたかも思い出したくない。2人だけで共有したい」。そう照れ臭そうに話す貴方を見て、ただの渋谷すばるのファンやん、と微笑ましくなって。一瞬でも、くすっと笑うことができて、笑顔をいっこにこにこ作ってくれた。貴方が、関ジャニ∞の“ムードメーカー”で良かった。ありがとう、丸山さん。

 

    安田さん。3日間も入院が必要な程の怪我を押して、身体も心も辛い中、ドクターストップがかかるギリギリまで今回の会見に出席しようとしてくれて。突然のことに混乱したけれど、「渋谷の性格を知っている以上、これは彼の背中を押すべきなんだろう」「音を楽しむことを常に追求し続けてきた渋谷だからこそ、奏でられる音楽がきっとこの先あると思う」「関ジャニ∞を離れても、渋谷の音楽に聞き惚れていけば、という想いを込めて渋谷を送り出したい」。共に関ジャニ∞の楽曲制作に関わることも多く、関ジャニ∞の音楽面を強く支える2人。やすば。男前とチンパンジー。CCコンビ。すばるとちゃーたが紡ぎ出す旋律をもう聞けないのかと思うと、寂しくて堪らないのだけれど。貴方が、すばるくんの“一ファン”でいてくれて良かった。ありがとう、安田さん。1日でも早く、元気な姿が見られますように。

 

    大倉さん。メンバー全員での話し合いの場で「(すばるくんの決断は)関ジャニ∞にいて叶えられない夢なのかとか、海外でやる意味、それは日本にいて勉強できるんじゃないのとか、疑問に思ったことは全部ぶつけた」「すばるくんが自分の人生っていうことで考えてやった時に、僕たちの人生はそのまま続くわけではなくて、変化するわけで。その上での決断なのかという質問をした時に、『それは申し訳ないけれど、自分の人生を優先させてもらった』というのを聞いて、俺らのことを考えた上での決断なら僕らは何も言うことはない」。また、会見に同席することも最初は「嫌だった」けれど、「やっぱり勝手な決断をしたすばるくんのことを嫌いになれなかった」「こういう場に立つのであれば、こういうところでどんな発言をするのか横で聞いていたいなと思った」、と側でその決意を受け止めてくれた。貴方が、どこまでも頼もしい、関ジャニ∞の“最年少”で良かった。ありがとう、大倉さん。

 

 

 

    こうして想いを文章にすれば、少しは気持ちの整理もできるだろうと思いただキーボードを打つ指を見守ってみましたが、ちっとも気持ちの整理なんてつきませんでした。

    もし願いが叶うならば、渋谷すばる関ジャニ∞というグループを離れる=ジャニーズ事務所を退所するまでの12月31日までに、くだらないことで「しょうもな〜!」って笑い転げて、馬鹿みたいに燥ぐ7人が見たい。

    メインボーカル・渋谷すばるをフロントに据えて、最高に熱く、最強に泥臭い音楽を奏でる7人が見たい。

    一緒におっさん・おばさんになるという夢を見させてくれないならば、この位の我儘、許してください。

 

 

 

    会見で横山さんも話していたけれど、渋谷すばるのいない6人の関ジャニ∞が、全く想像できません。大倉さん不在で迎えた元気が出るLIVE!オーラスの時は、メンバー一人が欠けた状態はあくまでも“一時的”に過ぎず時間に限りがあったから、何とか持ち堪えていたし、納得せざるを得なかったのだけれど。

 

    誰が貴方のいた場所に立つの?

    ドームを突き抜けるかのような伸びやかな声で、愛おしそうに“eighter”と叫ぶ貴方はもう見られないの?

 

    考え出したら止まらないけれど、渋谷すばるが、関ジャニ∞6人が、全力で前を向いて歩き出そうとしているのだから。私も一歩ずつでもいい、がむしゃらに、振り返らずに歩み続けたいと思います。

 

 「この決断が正しかったのか、それとも間違っていたのかは、残った関ジャニのメンバー6人、そしてこれからの渋谷すばる自身で証明していくしかないと思っている」

 

    今はまだ、6人の関ジャニ∞を受け止め切れそうにないけれど。新体制での再スタート、見逃したら絶対に後悔すると思うから。必ず、会いに行きます。

 

 

 

 

 

錦戸亮と別れについて考える。

    今回の発表を受けて、33歳にして“別れ”というものを経験しすぎている、錦戸さんのことを考えずにはいられませんでした。

    「応援しているグループからメンバーが脱退する」という経験は、今回を含めて2回目でした。1回目は、2011年10月7日。山下さんがソロ、錦戸さんが関ジャニ∞に専念するためにNEWSを脱退することが発表された時。そして今回、2018年4月15日。

    前回と大きく違うのは、発表から脱退までに時間の猶予がある、ということ。あの時は、夜の19時30分頃に、(ある日突然Johnny`s webから削除されたNEWSmile、関ジャニ戦隊∞レンジャーでの錦戸さんの意味深な文章などはあったけれど)何の前触れもなく発表がなされて、こちらに別れを惜しむ暇さえ与えてくれず、その翌日、深夜0時を回った瞬間には、NEWSのプロフィール欄から山下さんと錦戸さんの名前が削除されて、「これは夢じゃないんだ」「こんなにも呆気ないものなのか」と思ったのだけれど。今回は、6人での5大ドームツアーがスタートするまで(ジャニーズ事務所所属という肩書きが外れるまで、と考えるならば12月31日まで)と、余裕を持たせてくれている。ある日突然いなくなるのも辛いけれど、期限が定められているのも辛いなと、どちらも経験して初めて分かりました。

 

    改めて、錦戸さんがNEWSを脱退した時の文章を読み返してみたのですが。前回はグループを離れる側、そして今回はグループを離れるメンバーを見送る側と、それぞれ立場は違うのだけれど。どちらも新体制で臨むグループとメンバーを宜しくお願いします、という言葉で結ばれていて。最後まで、自分より歳下で経験の浅いメンバーを支える“お兄ちゃん”であり、「13才の僕を可愛がり、道標を示してくれた先輩の決断を応援する」と背中を押す頼もしい“弟”だったな、と。グループを離れる側もグループを離れるメンバーを見送る側もどちらも経験している錦戸さんだからこそ。理由は違えど、またメンバー一人がグループから離れてしまうという現実。もちろん、残念ではあるのだけれど、これからの道を一人で切り拓く決心をした仲間の背中を押し、敢えて「門出の日」と表現したのではないか、と。ありがとう、錦戸さん。

 

    けれど、どうしてこれだけの別れを経験しているというのに、錦戸さんはジャニーズ事務所でアイドルを続けてくれているのか。決してキラキラと華やかなだけでないこの世界に生きていて、遣り切れない思いを抱えて一人で苦しむこともあるだろうに。30代を目前としてようやく「関ジャニ∞という居場所を見つけられた」からなのかな、とぼんやりと想像してはいますが。

    これまでは自分を守るためにどこか虚勢を張っていたという錦戸さんが、少しづつ纏っていた鎧を脱いで、心穏やかに過ごせる日々や、ありのままでいられる=フラットでいられる時間が増えますように、と願うばかりです。

 

 

 

    出会いは必然、別れは偶然。例え別々の道を歩むことになっても、この空の下で繋がっているから。また、いつか。

    数年後、「これで良かったやろ」って証明できるような未来を作れますように。「どうや」って胸を張って言えるように。

 

 

 

    関ジャニ∞のメンバー6人、そして渋谷すばるの未来に幸あれ!!!