君のために歌うよ/錦戸亮さん (32) に寄せて

 錦戸亮さん、32歳のお誕生日おめでとうございます!!!

 

 錦戸さんのお誕生日をお祝いするようになって、早いもので11年目を迎えました。好きになった当初、私はまだランドセルを背負った小学生、錦戸さんは20歳だったので、年月は確実に経っているのだと感慨に耽ると同時に、ヲタ卒するどころかますます深みに嵌っている、呆れるくらいベタ惚れな現状に驚いてもいるのですが。

 

 

 

 31歳、貴方にとってどんな一年になりましたか?

 

 

 

 一年前は、主演ドラマ『サムライせんせい』の撮影現場で、“泥そば(焼きそば)ケーキ”でお祝いしていただいていましたね。土台はそばめし&チキンライス&カレーピラフの三段仕立て、トッピングには鶏のから揚げやハンバーグ、エビフライと錦戸さんの大好物ばかりをこれでもか!と詰め込んだ、キャスト・スタッフの皆さんの愛情たっぷりの異色ケーキを頬張りながら、「素敵な31歳の1年にしたいと思いますし、この作品も最後まで走り抜けたい」と意気込みを語っていた錦戸さん。映画『ちょんまげぷりん』以来、約5年振りに“過去にタイムスリップしてしまう侍”という役柄を演じるということで、「僕にとっても“すごい挑戦”になる」「あの頃の僕には絶対出来ひんことをやりたい」と、到底計り知れないプレッシャーもあったはずなのに、それを全く感じさせない圧巻の演技。「“31歳錦戸亮の限界”を提示できた」という、今までの錦戸さんならきっと恐らく言わなかったであろう、この言葉にも心を掴まれて。

 

 

言霊は信じない派*1

 

 

やりたいことを内に秘めて、でもやれたらよっしゃ!って心の奥底では思っているタイプ

 

 

 ———そう公言している錦戸さんだからこそ、そんなにはっきりと自分の思いを口にするだなんて、驚きました。どういった心境の変化なのだろう。

 

 

 

 20代最後、30歳という節目の年を迎える直前に語っていた“心のコントロール”の成果なのか、穏やかな心で新しいことにチャレンジしていた一年だったのではないかと、思ってみていたのですが。素直で嘘がつけない性格だからこそ、思っていることや感じていることがそのまま言葉や態度に出てしまう。苦手なことや嫌いなことをやってみる前から尻込みをする。そういったことが年々少なくなっているように感じて。そもそも、(自他共に認める)好き嫌いの激しい錦戸さんが、何故「頑張ってみよう」と思えるようになったのか。焦らしたり、悪戯をしたりして中々本心が掴めないので、そのきっかけは知る由もないのですが。

 

 

 

 そうそう。新たな挑戦、と言えば。31歳の錦戸さんを振り返る上では欠かすことのできないワードがもう一つ。“関ジャニ∞の元気が出るLIVE!!”にて初披露されたサックス。数年前、某番組*2にて楽器部屋の写真が公開された時は「(サックスは)プーと鳴るだけ」「売り払えば?」なんて冗談交じりに話していたのは、寡黙であることを美学とする、ひたすらに「語らない」ことを貫いているからなのか、それともただの照れ隠しなのかは分からないけれど。少なからず、ここ数ヶ月はグループでの活動に加え、ドラマ撮影で多忙な日々を送っているであろうはずなのに。サプライズの仕掛人、恐るべし。

 きっと錦戸さんの頭の中には、AとBとはたまたZ、といったような発想の引き出しがいっぱいあって、それを丁度いい塩梅に料理するのに長けている、といつも感心してしまうのですが。それでいて、“The・錦戸亮”という世界観は健在で。『ビースト!!』の台詞部分、“店長!”から曲調が“転調”した時にも、これは!と驚いたのですが。読み込めば読み込むほどに味が出てくる、コミカルで遊び心満載の歌詞。バナナジュースを作ることに嵌り、ある日横山さんに勧めたところ「めっちゃ美味しい!」と褒めてもらえたことが嬉しくて、ライブがあるたびに振る舞うようになった錦戸さん。それもただのバナナジュースでは飽きてしまうだろうと「今度はブルーベリー入れてみよう」「バナナとイチゴの割合もちゃんと考えて」健気すぎる…。「今日はええわ」と断った日には、「紙コップ一杯やんか!そこは飲んでくれよ!」といじけ。その様子を見かねたすばるくんの「そんなにバナナジュース好きなら曲作れや」という鶴の一言から誕生したといっても過言ではないこの曲。管楽器の中から「サックスはどっくんが持ってるってスタッフさんに言われたから」トランペットを選択したという横山さんとのユニット曲で、錦戸さんがサックスを演奏する(しかも上手い)。バナナくんとミルクちゃんが織りなす、甘くフレッシュなハッピーデイズ。こんなにもお洒落で、甘酸っぱくて、素敵な物語になるなんて想像もしていなかったので、ああ、やっぱりこの人のことが好きだと心の底から思いました。

 

 

 

 ファンになった当初は、小学生ながらに「この人が30歳になっても好きでいられるのだろうか」と不安に駆られたこともあったのですが、その30歳を超えて32歳を迎えた2016年11月3日現在、31歳の錦戸亮さんも大好きだったのだから、きっとずっと大好きなのだろうと開き直り、すっかり安心しきってこの現状を楽しんでいます。

 

 

 そもそも、何故こんなにも錦戸さんを好きなのだろうか。その答えを出すことができないまま、ごめんね青春!の平ちゃん先生みたく、11年間、ずるずるとここまで思いを引き摺ってきてしまいました。ああでもない、こうでもないとあれこれ考えるのですが、結局のところ溢れ出す思いをうまく纏めることなんてできずに、好きなことに理由なんてない!というところに辿りつくのは目に見えて分かりきっていることなのに。どれくらいのキャパシティで迎え入れればいいのだろう、どれくらいのスペースがあれば全部取っておけますか?と自問自答したくなるように。

 

 

 錦戸さんのことが好きだから、錦戸さんを彩る全ての要素が愛おしくて堪らないのです。だから、錦戸さんにはいつだって幸せであってほしいし、笑っていてほしい。できることならば、笑っているところを見せてほしい。錦戸さんの笑顔には、魔法のような不思議な力があるのだから。自分のことを挫折顔だから屈折した役柄が多い、と冗談交じりに話していたことがあったけれど、そういった役柄を求められるのは、きっと笑顔がとびっきり似合うからだと思っています。ドラマや映画での心をきゅぅっと締め付けられるような憂いのある泣き顔もいいけれど、笑顔はもっと素敵です。

 ジャニーズ事務所では例を見ない、前代未聞の2つのグループを掛け持ちしていた錦戸さん。その分、喜びや楽しみは2倍だけれど、悲しみや苦しみも2倍。「自分がどんなに頑張っても解決できないスケジュールの問題」で、NEWSを離れるという大きすぎる決断をした26歳の秋。脱退発表から初めての公の場で、関ジャニ∞のメンバーを背に、「新しいNEWSと山Pのことも応援していただけたら嬉しい」と、瞳を潤ませ、時折言葉を詰まらせながら決意を語り、深く頭を下げた錦戸さん。その表情がどうしても脳裏を離れなくて。儚くて脆くて、今にも崩れ落ちてしまいそうで。そんな錦戸さんだからこそ、十祭オーラスでの挨拶がじんと心に沁みました。

 「関ジャニ∞に居場所を見つけられた」のが20代最後とするならば、31歳はその居場所にいるための努力をし始めた、その居場所で輝き続けるための術を身に着けようとした一年だったのではないかと思っています。これまでは自分を守るためにどこか虚勢を張っていたという錦戸さんが、少しずつ自分で纏っていた鎧を脱いで、心穏やかに過ごせる日々や、ありのままでいられる=フラットでいられる時間が増えること。屈託のない笑顔が沢山見られる一年になりますように、と願うばかりです。

 

 

 

 

 錦戸さんの好きなところを書き出してみたら、きりがありません。悪戯っ子のような無邪気な笑顔も、照れた時に頬っぺたを両手で覆う癖も、ギターを掻き鳴らすロックな表情も、根っからの末っ子気質で甘え上手なところも、素直さが故の不器用すぎる愛情表現も、家族や仲間想いなところも、全部、全部大好きなんです。その好きだという気持ちを文章にする時、想いのたけを全て纏めることが出来たら良いのですが、いつも伝えきれなくて歯痒い想いをします。でも、その好きだという気持ちは留まることを知らず、日々溢れ出してきます。ここまでに「錦戸さん」「錦戸亮」という言葉が、そろそろゲシュタルト崩壊するのではないかと思うほどに頻出しておりますが、1年に一度の記念日ということで目を瞑っていただけたら、幸いです。

 

 

 

 31歳、おかげさまでとっても楽しかったです。錦戸亮(30)の世界もとっても魅力的だったけれど、錦戸亮(31)の世界は一層輝きに満ちていて。キラキラとして、眩しかった。

 

 

 

 『トットてれび』の坂本九さん役、そして約2年振りとなる主演映画『羊の木』。錚々たる出演者の顔ぶれの中に名を連ねる、“錦戸亮”という3文字の存在感。他の誰でもない、昭和の名スターという大役に錦戸さんが抜擢されたという事実がただただ嬉しくて。『羊の木』に至っては、4年前から構想を練り、錦戸さんを誰と対決させたら面白くなるかを軸に据え脇を固める共演者の方々をキャスティングし、「演技の懐が深い」と監督より直々に指名を受けたそうで。これ以上ない、最高の褒め言葉ですよね。

 2012年の錦戸亮を見てきた人が、4年後、さらには6年後の錦戸亮、もっと懐の深い演技をするであろう錦戸亮を見据えて、彼を軸に構想した主演映画が待っている2018年の世界。今この時の錦戸さんが、確実に未来の錦戸さんに繋がっているのだと思うと、嬉しくて嬉しくて仕方がないです。

 

 

 

 錦戸亮は、どこまでも行けると思う。そう強く思わずにはいられません。

 今までもこれからもいつまでも、よろしくお願いします。

 今日という日が、錦戸さんの笑顔溢れる素敵な一日になりますように。

*1:2013年放送 『ザ少年倶楽部プレミアム

*2:2010年8月1日放送 日本テレビ系『おしゃれイズム』